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a.英語圏以外の国からの来日者であるが、直截な英語表現を望む。
b.漢字にはシンボル性があるのでひらがなより理解しやすい。
c.車内の「かさを忘れないで」放送は、世話を焼く様がこっけいでもあり、うるさくもあるので不必要と思う。

 

3. 現状設備への評価
1)ビジュアル・サインヘの英語又はローマ字表記は、近年次第に充実してきており、また電子式表示装置上の表記は、たいへんわかりやすいものになっている。
2)一般に外国語の表記は、上段に日本語、下段に英語又はローマ字と一対の形で併記する方法が採られているが、
a.日本語と外国語の関係を確認できる(学習や質問をしやすい)。
b.表現上無駄が少ない(分離表現法の場合、例えば誘導サインでは日本文にも英文にもそれぞれ矢印が必要になる)。などから、優れた方法と思われる。
3)音声案内では、外国語表現を行っている例はほとんどない。
4)日本語も英語も理解できない外国人にとっては、視覚情報も聴覚情報も得られる機会はほとんどない。
5)英語を理解できるとしても、聴覚情報は得られていないと考える必要がある。
6)前に記述した外国人による指摘は、次のような情報ニーズとして整理できる
a.予備的な知識のほとんどない利用者に対して、事前情報ツールの案内様式を含めて、特に視覚的な様式で成立する情報提供システムを検討する必要がある。
b.視覚案内では、外国語表記を正しい表現で、鉄道利用上必要な箇所には全て行う必要がある。
c.視覚案内上、視認性能条件を満たす表現方法を採る必要がある。
d.ビジュアル・サインは、鉄道会社間で統一されるほうが、利便性は高まる。
7)上記はいずれも、当然な情報ニーズとして考えることができる。
8)外国人を対象とした情報設備は、英語を理解できる前提としても、
a.聴覚情報のない利用者に対して、情報提供が断片的で伝えられない内容がある。
b.予備的知識のない利用者に対して、情報提供が断片的で伝えられない内容がある。
ことから、必ずしも親切とは言えない現況といえよう。
9)異常状況など緊急的情報の提供は、聴覚障害者の場合と同様に、ほとんど考慮されていない。

 

6-3 対応の方向性についての考察
1. 設備的な対応における留意点
1)外国人に対応する設備的な案内様式は、

 

 

 

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